映画『メジャーリーグ』から読み解く『アイドルマスターシンデレラガールズ セカンドシーズン』の展開予想

8月になりました。プロデューサーの皆さまに於かれましては、相変わらず攻勢を緩めない10周年イヤーの怒涛の展開が続く超天変地異みたいな狂騒にも慣れてこんな日常を平和と見間違う、そんな日々を過ごしていると思います。

そんな中でシンデレラ側の目玉というべきは、7月よりセカンドシーズンが始まったTVアニメであろうと思います。
僕も毎週楽しみに見ているわけですが、16話にしてウサミン星からの電波を受けてある事実に感づいてしまったので、今回はそれを記事にしたためておきたいと思う次第です。それではしばらく、与太話にお付き合いくださいませ。

<セカンドシーズンの展開は映画『メジャーリーグ』を意識している?>

突然何を言い出すんだお前は、という感じですが、順をおって説明していきたいと思います。
セカンドシーズンの物語は、海外から帰ってきた美城常務が、346プロのアイドル部門のトップという立場についたところから始まります。
そしてアイドル部門の全プロジェクト解体を宣言し、現場は混迷を極めシンデレラプロジェクトの先行きも不透明になり、武内Pは自分の考えた渾身の企画「シンデレラの舞踏会」の成功によってこの状況を変えようとする……というのが今のところストーリーのメインフレームになっていると言えましょう。

このストーリーの骨組みに、僕は奇妙な既視感を覚えました。随分昔に、こんな展開を見たような気がしたのです。
しばらく考えて、答えを発見しました。
「これ、まるっきり『メジャーリーグ』じゃねーか!!」
映画『メジャーリーグ』といえば、野球好きとして知られるとんねるず石橋貴明の出演で話題になりましたが、それはシリーズの第二弾・第三弾のお話。今回話のメインを張るのは、タカさんが出ていないシリーズ第一弾のほうです。

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さて、まずは『メジャーリーグ』のかんたんなストーリーを紹介しておきましょう。

メジャーリーグ』(Major League)は、1989年のアメリカ映画。メジャーリーグベースボールに実在する球団、クリーブランド・インディアンスを舞台にしたコメディー映画である。メジャーリーグに属するクリーブランド・インディアンスは34年も優勝から遠ざかっている弱小球団。亡き夫の跡を継いだ新オーナーのレイチェルは1年の観客動員数が80万人を下回れば本拠地の移転が認められることを利用してマイアミ移転を目論む。そのために集められた選手はメジャーとは名ばかりの奇妙な選手たちばかりだった。
チームはシーズンが始まっても低空飛行を続けていた。が、とある日近眼を克服したムショ上がりの若いピッチャー、リッキーの活躍で快勝し、チームに勢いがつき始める。60勝61敗となった日、チームはレイチェルの企みを知る。これに発奮した彼らは怒涛の快進撃を見せ、ついに同率で強豪ニューヨーク・ヤンキースとのプレーオフに臨む。

以上、Wikipediaの作品ページより抜粋・引用しました。

つまり、「今までのやり方を変えようという新しいトップの差金で現場が著しい不利益をこうむり、目標を達成することでトップの企みを阻止しようとする個性派軍団の奮闘」
を描いた物語である、という点において、『メジャーリーグ』と『シンデレラガールズ セカンドシーズン』は実に近い作品であるといえるでしょう。

ストーリーの骨子についてはもうこれで説明不要だと思います。
最終回ではもちろん期末に控えたライブイベント「シンデレラの舞踏会」が大成功し、武内Pの胴上げで幕となるはずです。俺の占いは当たる。

<キャラクターの奇妙な符合>

さて、シナリオの骨子については前段で説明が終わりましたので、続いてはキャラクターの方を見て行きたいと思います。

●渋谷凛
=リッキー・ボーン(演:チャーリー・シーン

メジャーリーグ』の主人公格の一人、チャーリー・シーン演じるリッキーは刑務所上がりの無愛想なピッチャーです。凛との共通項はクールでぶっきらぼうな面がある所、そして何よりもエースとしての働きを期待されているところにあります。リッキーは豪速球を武器にしながらもひどいノーコンだったのですが、それは近眼が原因であり、眼鏡を掛けたことによって劇的にコントロールが向上し、チームの主力になります。このことから、凛が眼鏡をかけることによって覚醒する回があるはずです。もちろん眼鏡といえば上条春菜が一枚噛んでくるに決まっているので、そのへんも期待できそうですね!

●島村卯月

=ジェイク・テイラー(演:トム・ベレンジャー

トム・ベレンジャー演じるジェイクのポジションはキャッチャー、つまりピッチャーの女房役にして扇の要。すなわち凛をアイドルの道に引き込み、ニュージェネレーションズひいてはプロジェクト全体の癒やし役を担う島村卯月のポジションです。いっぽう、ジェイクは別れた恋人に未練があり、それが一悶着を巻き起こします。つまり、セカンドシーズン開始前からしきりに来ると言われている島村卯月の闇落ち展開は、おそらく過去の恋人が登場してスキャンダルになって……という形で来る可能性が高いでしょう。もちろんそこから復活して目標の達成になくてはならない戦力になるところまでセットのはずです。ご安心ください。

本田未央
=ウィリー・メイズ・ヘイズ(演:ウェズリー・スナイプス

アクション映画好きには『ブレイド』シリーズで馴染み深いウェズリー・スナイプスが演じるウィリーは、俊足がとりえのお調子者。その姿は、ニュージェネやシンデレラプロジェクトのムードメイカーとして持ち前のポジティブさで引っ張る未央の姿とリンクします。
序盤で調子こいて失敗するところなんかも実に未央です。

●アナスタシア
=ペドロ・セラノ(演:デニス・ヘイスバート

キューバから亡命してきたパワーヒッター、セラノはいわゆるおもしろ外国人枠。敬虔なブードゥー教徒であり、試合前には神様の像に祈りを捧げたりするほど。変化球に致命的に弱いという弱点を持っているのですが、大一番で「もう神様には頼らない!」と一念発起し変化球を克服します。異国で心の拠り所を求める姿は、新田美波というパートナーを得て拠り所とするアナスタシアの姿そのものです。おそらく、二期におけるアーニャの見せ場は、神に祈ることをやめたセラノ同様に、パートナーであり保護者役でもあった美波からの「独り立ち」を果たす場面になることは間違いないといえるでしょう。

●美城常務
=レイチェル・フェルプス(演:マーガレット・ホイットン)

メジャーリーグ』では、オーナーであった夫の死によってその職につく、という役どころ。
いわば「意地悪な継母」といったポジションです。「美城常務がシンデレラにおける同様の役割の比喩なのでは?」という意見もTwitterでだいぶ拡散されてましたし、ポジション的には完全にかぶっていますね。加えて現場にいろいろ口出し嫌がらせをする、自分のやり方を通そうとするところなどまったくもってそっくりです。これから美城常務のたくらみが明らかになり、常務の等身大パネルがシンデレラプロジェクトの部屋に置かれ、仕事を取るたびにパネルの服が剥がされていくシーンがあるはずです。

……いま肝心の映像媒体が手元にない都合上、インパクトのある登場人物に絞りましたが、こんなぐらいに恐ろしいほどの符合が見られます。
こうした細かい符合も見逃せないんではないでしょうか。



さて、妄言をつらつら書き綴って参りましたが、3話の時点で書いた通り、アニメのスタッフは実にシンデレラガールズの「見せ方」を周到に心得ているのがありありと伝わってきますし、今後もその手腕に信頼して良いものと僕は思います。

つまるところ、これだけ『メジャーリーグ』へのリスペクトを随所にちりばめているスタッフはその信頼に応えて必ず見せてくれるはずです。
そう、渋谷凛のソロステージで、高らかに『Wild Thing』が鳴り響くクライマックスのライブシーンを!!!


……いや、そこは普通に『Never Say Never』流してもらわないと困るんですけどね。