過ぎゆく今年を漫画で振り返る ―2010年マンガベスト10

ほんとにもう今年終わるよ!ハバネロです。
年末回顧もいいかげんにしとけってかんじですが、卓球Pのところでなんか面白そうなことやってて、これは乗っからざるをえない!!と思ったのでやってみましょう2010年マンガベスト10。


ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

今一番熱い音楽漫画であり青春漫画。
主人公の絶妙に痛くて青臭い感じとか、女の子の可愛さもいいんですがなによりもその圧巻は演奏シーン。
「絵」から「音」がダイレクトに伝わってくる、こんな体験をさせてくれるマンガは「ハレルヤ」をおいて他にはありません。
バンド漫画としても、「BECK」のガチでバンドやってる青春っぽさに加えて、「けいおん!」が持ってる女の子の可愛さとかが絶妙にリミックスされてどっちが好きな人も入り込める作品になってると思います。
2011年個人的にもっとも流行ってほしい漫画。
ちなみに僕はタンポポ先輩が大好きです。

ばらかもん 1 (ガンガンコミックスONLINE)

ばらかもん 1 (ガンガンコミックスONLINE)

とある事情で東京を離れ五島列島でくらすことになった書道家と、島の人々の交流を描いた作品です。
時間がゆるゆると流れるスローライフな感覚も非常に心地いいんですが、そのなかで、主人公が無くしかけていた大事なモノを見つけていくプロセスが胸を熱くさせます。
個性的なキャラクター造形とその掛け合い、加えて島の風景の描写も素晴らしくて、何度繰り返し読んでも楽しめる逸品。
あと美和ネエの絶妙にスレた感じがとても好きです。*1

めくりめくる 1巻 (ガムコミックスプラス)

めくりめくる 1巻 (ガムコミックスプラス)

地方都市の女子高生ってマジ最高!!ってお話です。
友情とか恋とかコンプレックスとか、そういう青春のあるあるを倉敷の街の風景が包みこむ、これだけでご飯三杯くらいいけちゃいますね。
一話ごとにメインの登場人物を変えてオムニバス形式で語られるのですが、どの女の子も表情豊かで可愛くて素晴らしいのです。
倉敷の街の情景描写も素晴らしく、風景の美しさと女の子の可愛さが一冊で同時に味わえますよ!

3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)

3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)

2010年でいちばん「化けた」というか、今まで積み上げたモノが確かな熱量に変換されて最高に熱い展開を見せてくれた作品ではないでしょうか。
特に今年に入って刊行された四巻・五巻で一気に存在感を増した島田八段が素晴らしい。
ほかにも学校の先生だったり川本家のみんなだったり、周りの人から影響を受けた主人公・零が今後どうなっていくのか?といったところでこれからも目が離せない作品です。

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

今年もっとも爆笑した一冊。
とある事情からイケメンで高収入(ただし裸族)の男性・升田さんのところで居候する事になった女子高生・たえ子の日々を描いた作品です。
升田さんの凄まじいボケっぷり(というか変態っぷり)と、それに対して必死のパッチでツッコミを入れるたえ子のやりとりに抱腹絶倒。
升田さんの友人・陣内の濃すぎるキャラクターとかも大好きですwww
とりあえず変態であってもイケメンなら許される、現実は非情である。*2

あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス)

あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス)

これも三月のライオン同様に今年に入ってぐっと伸びてきた、そんな印象。
僕はもともと天野こずえ大好きなんですが、今までの作品よりも「まっすぐに青春してる」感じがとても素敵んぐ。
特に三巻ラスト、てこがオープンウォーターダイバーライセンスを取得するシーンは、天野こずえお得意の情景描写の美しさに心理描写が見事にはまり込んだ非常に素晴らしい物になっています。
これもより一層「これから」が楽しみな作品ですね。

鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)

こちらは十年近く続いた作品がついに堂々の完結、ということで。
圧倒的なスケールの物語を、一切の破綻なく「着地するべきところ」に着地させて見せた荒川弘のその手腕はやはり凄いものだなあ、と改めて思います。
ラストでエドがだした「答え」には思わず唸らされましたし、エピローグまで過不足無く仕上がっていて、「この物語をずっと追いかけてきて良かった」と素直に思わせてくれる素晴らしいエンディングでした。

うのはな3姉妹 1 (まんがタイムコミックス)

うのはな3姉妹 1 (まんがタイムコミックス)

代わってこちらは今年期待の新鋭。
商店街の豆腐屋さんを舞台に、そこの頑固親父とその娘の三姉妹を軸に描くホームコメディ的な作品です。
三姉妹の三者三様のキャラクターに萌えるもよし(ちなみに僕は三女の桜ちゃんが好き*3)。
古きよき日本の家族の風景に和むもよし。
あるいは商店街を舞台にした「ご町内もの」としても読めますし、普段はあまり見ることのない豆腐屋さんの日常に「へえ〜」と唸るもよし。
料理法一つで色々な味わいを見せてくれるお豆腐のように、いろんな味わい方が出来る作品です。

  • 第九位: 山田瑯「蓬莱ガールズ」

蓬莱ガールズ(1) (講談社コミックス)

蓬莱ガールズ(1) (講談社コミックス)

今年一番打ち切りが悲しかった作品。
中華風の世界観を舞台に、とある国のお姫様・鈴珂とその従者・陽々(作中では「蘇摩」と呼ばれるキョンシーみたいな存在)が旅をするというファンタジーもの。
この二人の関係が非常にいいんです。
表向きは世間知らずで自由奔放なお嬢様を従者のほうがささえてる、って図なんですけど、従者・陽々のほうの精神的な部分をささえてるのはお嬢様の方、っていうね!
絵柄も好みは分かれるかもしれませんが、僕はめっちゃ好きです。個人的に次回作がもっとも待ち遠しい作家です。


-第十位:手原和憲「ミル」

ミル 1 (ビッグコミックス)

ミル 1 (ビッグコミックス)

東京で一人暮らしをする主人公のもとに、飼っていた猫・ミルが女の子に姿を変えてやってくる、というある種ラブコメチックな作品なのですが。
その特筆すべきところは、ミルが「見た目は女子高生なのに中身はおばあちゃん」というところ。そうですよね、化け猫って長生きした猫がなるもんだもんねw
だから作るご飯は和風メインのおばあちゃんっぽいメニューになるわ、時代劇が大好きだわ……
そのエキセントリックさが主人公との暮らしにトラブルを招く一方で、心地良さをもたらしてもいるという。
そんな不思議な居心地の良さがしみじみ味わえる作品です。




ということで2010年の私的マンガベスト10でございました。
来年はどんなマンガとの出会いがまってるかな?と楽しみにしつつ年越しを迎えたいと思います。
それでは皆様、良いお年を!!

*1:ただ単に黒髪ショートの女の子が好きなんです。

*2:同じことは「アマガミ」の橘さんにも言えるような気がします。現実まじ非情

*3:単に黒髪ショートが(以下略)