2016年上半期ニコマス20選

まだ7月だというのに蒸し暑さで死にそうですがいかがお過ごしでしょうか。
エアコンのない部屋で動画作ってたら土日が大量の汗とともに流れて行きました。
それなりに楽しんで作ったので、見ていただけると嬉しいです。

……さて、そんな感じのニコマスライフに欠かせないのが半期ごとにやってくる20選。今年も上半期20選が無事開催の運びとなりました。昨年ぐらいから自分の見てる動画がどちらかというと従来のステージPVから静止画MADやデレステMADメインにシフトしている感覚はあったのですが、今回改めて20選を並べてみるとそれがかなり可視化されているかな……。
下半期に控えるプラチナスターズの発売がこの状況にどう影響してくるのかも今から楽しみですが、とりあえず上半期の20選とその選評、行ってみたいと思います。

基本レギュレーション
・対象は2016年下半期(1月1日~6月30日)に公開されたニコマス動画
・自身のセレクトを20作品以内でブログもしくはマイリストにて公開
・1Pにつき1作品(合作・別名義については別カウント)
・選考基準はフリー(お気に入り・埋もれ発掘・テーマに沿って等何でもオッケー)

※その他、細かいレギュレーションやFAQなどはこちら

01.【ミリオンライブ】深層マーメイド/サトウくんP・うみのみるくP


ミリオンライブのPVを製作しているニコマスPの中でも、「カッコいい映像を作らせたら最強」のツートップによる合作。光やエフェクトを駆使した映像表現を得意とする二人の持ち味と曲の持っているカラー、そして翼と響が両方共3Dモデルがあるというちょっとした偶然も相まって、素晴らしい作品が誕生したと思う。偉業、あるいは素晴らしい作品の誕生というのは、ある種様々な偶然が噛み合った結果の産物となることが多い。様々な要素が噛み合って、二人の持っている力が生きるというのは、さながら今期プレミアリーグを制したレスターシティジェイミー・バーディー岡崎慎司の2トップを彷彿とさせる、と言ったら大げさだろうか。まあどちらの2トップに対しても、「来季もそれぞれのフィールドを席巻してくれるはずだ」という期待を寄せてしまうので、あながち間違いでもないのかもしれない。

02.BEMYBABY/けよりなキャベツP


先日行われた第5回シンデレラガールズ総選挙にて、ついに佐藤心さんの声(もしくは我々の聴覚)が実装されることになった。もしかしたらもしかすると、その栄誉に貢献したかもしれないのがこの動画だ。またこの動画のフォロワーが投稿直後から雨後の筍のようにぽこぽこ現れ、上半期のニコマスにおけるムーヴメントの一つとなったことも記憶に新しい。そうしたエポックメイキングな役割を担うことが出来たのは、言ってみれば単なる「動くクソコラ」というには強すぎる「謎の中毒性」があってのことだろうと思う。……とかなんとか書いてはきたものの、この動画について真面目な文章を書き連ねるのもどうかと思い始めたので、次の一言で選評を締めたいと思う。
「アッフゥフン!」

03.シンプル 【鷹城恭二誕生祭】/森永_(´ω`_U⌒)ノ さん(投稿者名)


ニコマスにおけるSideMの動画はどちらかというとMMDが優勢で、静止画MAD系の動画は少ないイメージがあるのだが、その中で今期出色の出来だと思ったのがこちら。彩度の高すぎないカラーですっきりとまとめられた画面と、鷹城恭二というキャラクターの魅力を分かりやすく伝えてくれるイラスト・テキストの選択の妙が静止画MADとしての完成度を高めている。自分が静止画MADを作るとどうしてもゴテゴテした編集をしてしまいがちなのだけど、たまにはこの動画のように「シンプル」に作ってみるのも良いなと素直に思わされた。

04.【デレマス】ススメ☆オトメ~Cinderella song & Jeweries step Remix ~【MAD&Arrange】/さきし さん(投稿者名)


自作MADの選曲傾向を見てもらえれば察しがつくと思うのだけれど、僕はUNISON SQUARE GARDENというバンドが大好きだ。中でもアニメ『血界戦線』のエンディングだった『シュガーソングとビターステップ』は2015年一番リピートした曲だと思う。そんな大好きな曲をイメージした『ススメ☆オトメ』のアレンジがこちら。双方の曲のイメージを残しつつ違和感なく仕立てあげたアレンジと、血界戦線のEDをパロディしつつ、シンデレラガールズのアニメをダイジェストとしてみせた映像、双方の完成度が非常に高い。音と映像をどちらも楽しめる一粒で二度美味しい傑作

05.【LTH合作】ミリオンライブ!3rd st@ge Million Harmony/合作(主催:ミントガムP)


僕の2016年上半期の前半はひたすらこの合作のためにあった、と言っても過言ではない。
その辺りの諸々については過去のブログ記事を読んでいただくとして、今改めてこの合作を見返すと「よくやってのけたな」と自分自身を褒めてあげたい。また同時に参加・協力を頂いたすべての皆様に感謝したい。とにかく、主催であるミントガムPを筆頭に、全員がありったけの情熱をもってそれぞれのベストを尽くした最高の合作になったと思う。この合作に関わっていた期間は、8年余りに渡る僕のニコマスPとしての日々の中で、掛け値無しに一番充実した時間だった。まだ未見だという方はこれを機会にぜひ見ていただきたいし、またすでにご覧頂いた方にも、何度でも見ていただきたい。それに値する合作になったと自負している。

06.【MAD】栄光SunRise【日野茜】/卍P


今期もニコマスは静止画MAD系をメインに見ていたが、その中で僭越ながら自分に一番感性が近いと感じたのがこの作品。カラフルなエフェクトと動きをこれでもかと盛り込んだ画面は、「これくらいやれたらきっと楽しいだろうな」と思わせてくれる。
そして、このてんこ盛りで情熱が迸るような動画のつくりと疾走感あふれる熱い楽曲が、日野茜というキャラクターにビシっとハマっているのだ。特に、僕の作る動画は「アイドルのパーソナリティを楽曲と組み合わせて出力する」という傾向に寄っているという自覚もあり、そうした作風の一つのお手本として素直に刺激を受けた。
まあ、実は結構日野ちゃん好きだったりとか、デレステではじめて引いたSSRがサムネに使われてるカードだったりとか、そういう個人的な思い入れみたいのもあったりなかったり……w

07.【SideMMD】315事務所の飛び出す手帳【はればれ山村】/八羽 さん(投稿者名)


SideMはMMDが強い、というのは先述したとおりだが、その「強み」を最大限に活かしたのがこちらの動画である。投稿当時MMDモデルが存在したSideMのアイドルが全て登場し、そして手帳のページを繰るごとに出現する様々なシチュエーションとステージが彩る最高の「お祭り感」が素晴らしい。またいつか、MMDモデルが全員分増えた時にでも、パワーアップして帰ってきてくれないだろうか……w

08.【静止画MAD】SPARK【衛藤美紗希】/ととろP


シンデレラガールズの静止画MAD作者として進境著しいととろPが、衛藤美紗希を主役に、彼女のキーワードとも言える「女子力」を見事に動画に詰め込んでみせた傑作。
ととろPについては、僕の企画した「アイマス静止画PVをつくろう!」投稿祭でデビューを飾ったということもあり、勝手に一番弟子ぐらいに思っているのだけれど(※嫌だったら言ってくださいね……)、この動画のように「パステルカラーで図形と文字をまとめあげる」というスタイルはもう僕が勝手に師匠ヅラするのもおこがましいくらいに上手い。というかむしろ教えて下さいなんでもしますから!
……話がそれたが、またそうした動画のスタイルが衛藤美紗希というキャラクターに非常にマッチしているのだ。Pの持つスタイルと、担当アイドルの在り方が重なる時に起こる化学反応が、まさしくスパークのように見る側の心を射抜いてくれる、そんな一本。

09.【MAD】 become free 【七尾百合子誕生祭】/べじ さん(投稿者名)


3月18日にやってくる七尾百合子の誕生日は僕にとって上半期の一大イベントである。そのめでたい春の日に、僕は「やべえ……これはやられた……」という敗北感にも似た思いを抱くことになった。その原因がこれだ。
なんですかこの完成度の高さというかスタイリッシュの極地みたいなとんでもねえ編集技術……。同じ日に僕も百合子誕生祭の動画をアップロードしていたのだけれど、「よりにもよってとんでもないのとぶつかってしまった……」と頭を抱えたものである。この経験がまた来年の誕生祭に生きるかどうかは神のみぞ知る。

10.【第八次ウソm@s祭り】 映画『ポートレイト』予告編/iskwP


アイドルたちが出演した映画の予告編、という体裁を取ったノベマス動画。この手の作品はいくつか前例があるが、アイドル一人一人に役名を割り振って、きちんと「個別の作品」としているのは珍しいのではなかろうか。しかし、この手法が「映画の予告編」としてのカラーを強めることに一役買っている。また各アイドルの配役と「いかにも青春!」という世界観づくりが非常に僕の好みにマッチしている。中でも真が悪友ポジションのヒロインなのが最高に素晴らしい(※僕の趣味です)。
「キャラクターが増えたからこういうことも出来る」という、今のアイマスが持つ可能性の一端を示してくれる動画であり、個人的にこうしたいわゆる越境作品が今後もっと増えてくれば面白そうだ。……ところで、本編まだですかね?w

11.散歩/甘香茶P


ノベマスのような、旅m@sのような、静止画MADのような、不思議な動画……なのだけれど、確かにそこに七尾百合子がいるような感覚があって、そこがたまらなく良い。
動画全体のふわりとした雰囲気や、街や公園を通って、最後には劇場に戻ってくるという構成もシンプルながら見事。仕事の合間のささやかな時間を百合子と過ごすような、小さな幸せに浸れる一本に仕上がっている。

12.【MAD】お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ【ミリオンライブ】/黒崎P


黒崎さんのことを、僕は勝手に「カメラの魔術師」と呼んでいる。何故かと言うと、動画におけるカメラの視点移動があまりにも上手いということが一つ。もう一つは、複数のガシャやイベントをまとめ上げて一つの「世界」として動画のフレームで切り取ってみせるその手腕にある。
今作は、そのカメラの魔術師たる所以がこれ以上ないレベルで発揮されている動画だと思う。映画『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の音楽に乗せて、ホラーなテイストの世界観ながらどこかコミカルな雰囲気を持った空気感が存分に味わえる。それと同時に、「なんでアイドルゲームなのにホラーっぽい雰囲気の衣装がこんなに多いんですかね……?」という疑問も浮かび上がる。だが、そんなミリオンライブだからこそ僕らは大好きなのかもしれない。そしてそんなミリオンライブのおかしな、でも僕らを惹きつけてやまない魅力をストレートに伝えてくれるからこそ、僕は黒崎さんの動画が好きなのだと思う。

13.【MAD】Yourself【シンデレラガールズ】/HIROKI さん


今期もシンデレラガールズのアニメを素材にしたMAD動画は多数上がったが、そのなかでも間違いなく出色の出来だったのがこちら。初見時、曲のイントロが始まった瞬間に、恥ずかしながらそれだけで泣いてしまった。「ああ、この曲があったか!これが合わないわけがない!」という傑作の予感を確かに感じたからだ。そしてその予感は最後まで見て確信に変わった。
この曲の歌い上げる言葉が、あまりに劇中の島村卯月の在り方にシンクロしているのだ。MADの醍醐味があるとしたら、全く無関係な楽曲と、作品やキャラクターが奇跡的にクロスしあう瞬間がその一つであると僕は思う。その奇跡の瞬間を、上半期もっとも美しい形で織り上げて見せてくれた一本。

14.【ミリマス】キャラクター紹介MAD×声優ライブ【アイマス】/ Mochigin さん


この上半期、我々LTH合作の参加者ほどミリオンライブに情熱を傾けて動画を作っていたものは恐らくいないであろう。僕はそう思っていた。それがどうやら僕の勝手な思い上がりだったことを、この動画を見た瞬間に思い知らされた。
今のアイマスは、アイドルゲームとしての側面の他にもう一つ、ライブコンテンツとしての側面を強く持っている。ミリオンライブの持つその「二つの側面」をあますところなく、それもおそらくたった一人で動画に詰め込んでみせた。その情熱に圧倒されたし、また動画の作りの上手さに舌を巻いた。投コメによればこれが初MADとのことなのだけれど……こんな才能と情熱の持ち主が出てくるあたり、ニコマスにおけるミリオンライブの未来は明るいと言っていいだろう。
とりあえずミリオンライブの魅力を知りたいという人間には、「一時間くれ」と言ってLTH合作とこの動画を投げつけるのがファイナルアンサーということで良さそう。

15.2016年春アニメ『生存本能ヴァルキュリア』 第1クールED / Pボウイ


MADの在り方は千差万別だが、「この発想はあった」というものを形にしてみせるというのもその一つであろう。それを超高速で、かつハイクオリティでやってのける辺りさすがPボニキと言わざるを得ない。
個人的にはやはり、違和感なくしれっとまざっている美奈子と、「スペースウォーズでワープ装置故障してたと思ってたらこっちに来てたのか」というコメントが最高にツボ。

16.【デレマスMAD】もっと光を【安部菜々生誕祭】/ナデクロP


安部菜々というキャラクターは、恐ろしく絶妙なバランスの上に立っていると思う。永遠の17歳、ウサミン星人などのうわキツ的なネタキャラとしての面が表に出ることが多い一方で、ひたむきに夢を追う情熱家としての面もある。そうした部分が多くの人を惹きつけているし、また二次創作の題材としても非常に魅力的だ。
電波キャラとしてのパブリックイメージに反して、安部菜々というアイドルには夢に向かって突き進む情熱を歌うロックナンバーがよく似合う。この動画もそんな一本だ。厳しいことも辛いこともある現実の中、その闇の向こうにある光を追い求める彼女の姿をご覧あれ。

17.カビキラデビュー!/youtt6 さん(投稿者名)


前の動画であれだけ熱い選評を書いた後にこの動画を置くのもどうかと思ったんだけど、投稿日順ゆえ致し方なしということで。あとカビキラーMAD好きだしどうしても入れたかったんだ。すまない。
菜々さんってこういうネタ動画とか音MADもやたら似合うんだよなぁ……w ネタとガチ、清濁併せのむ、これぞアイマス、これぞニコマスって感じがしないか?しないか。

18.【静止画MAD】アイル(Harmonized ver.)【ミリオンライブ】ショートver./アキP

上半期におけるミリオンライブのトピックは色々あれど、ゲッサンミリオン3巻のストーリーと、それに付随して生まれた『アイル』という楽曲の存在を抜かすことは出来ない。
1月に楽曲が発表された時の反響も物凄かったが、3rdライブツアーの幕張公演でのパフォーマンスによって、その魅力はより強固なものになったと思う。この動画はそんな『アイル』という曲の存在を取り巻く「良さ」が詰まっている。ゲッサンの漫画としての完成度、幕張公演での美しいハーモニー、そしてその中心にある伊吹翼というアイドルの魅力……。で、アキPはこれがデビュー作(※正確には楽曲差し替えて再アップロードしたもの)らしいんですけど、いよいよミリオンライブは「765プロの未来」だけじゃなく「ニコマスの未来」もここにあるコンテンツになりつつあるってことでいいんでしょうか。そうだったらとても嬉しい。

19.馬簪 BAKANZASHI / 伯方 さん(投稿者名)


上半期、とくに後半におけるムーブメントとなったのが、デレステ信楽曲を用いたZ会の音MADだ。6月頃からすごい勢いで増え始めた中で、個人的にお気に入りなのがこの一本。丁寧なゴリ押しによる妙に美しいハーモニーと、異常に気合の入った動画の組み合わせに、圧倒されつつも笑いが止まらないという訳のわからない体験ができること請け合い。

20.ありすSOS / ぽP


デレステのイベントで追加された橘ありすのイラストが余りにも素材力が高かったため、突如発生した「ありすクソコラグランプリ」。それをどういうクスリを決めてたのかは知らないけど、無意味に完成度の高い動画に仕立てあげたのが、まさかのぽP。「アンタ何やってんだよ!」とか「元ネタ直撃世代なんだよずるいわ!!」とか言いたいことは山程あるのだけれど、あるのだけれど、「クソコラ動画のくせに異常に見ててキモチイイ」のがズルい。ズルいから選ばざるを得なかった。素材が何であろうと、たとえネタ動画であろうと、キモチイイという大原則には勝てないということを改めて思い知らされた気分。

【サムネ一選】お願い!シナナイデ/なで肩 さん

予測不能回避不可能の1ターンキル