LTH合作のキセキを振り返る。

先日2月27日に、無事に予定通りLTH合作が全て公開になりました。
最高だからみんな見てね!!!

直後の打ち上げ生放送でも喋りましたが、「ほんとによく間に合ったな!!」というのが正直な感想です。予定通り公開できたのはまさしく素敵なキセキ!
副主催という立場上、内情がどうなっているかはほぼ把握していたので、それを鑑みたうえでこれはほんとにみんなが全力で頑張ってくれた結果であると思いますし、何よりも企画立ち上げ当初に揃ったメンバーが誰一人欠けること無くこの日を無事に終えられたということは、誇るべきことではないでしょうか。
まあそれに至る諸々には反省点もいろいろあったわけですが……それはぜひ次回(あるのだろうか?)に活かしていきたいところです。

というわけで、無事にすべてが終わったのでいろんな思い出話と担当パートの裏話なんかを表に出せる範囲で(ここ重要)書いていきたいと思います。長いから読む人は気をつけてね。

■合作のはじまり

ことのすべての始まりは昨年5月のある日、たまたまミントガムPが関西に来るというのでニコマスとP編集部のメンツで会いに行った時の話。
飲みに行った編集長行きつけのお店で、僕の真向かいに座ったミンガムくんがこんなことを言ったのです。
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(素材提供・ミリグリP)
実際はもっとマイルドに「LTH合作やりたいんだけど、ハバニキに主催を頼めないかと思って」という感じでしたが面白いので誇張しておきます。
ミンガムくんが真面目な調子で話を切り出した時になんとなーく予想は付いていたし、驚きはあまりなかったのですが、それよりも「僕にそんな役が務まるのかどうか」という不安がありました。
そんな時に取るべき行動はひとつです。
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心のなかのリトルホンダは「徳島ヴォルティスとかいうJ2でも下降線辿ってるチームには行きたくないミリマス合作に参加できるチャンスがあるなら参加すべきだ」とえらくポジティブな返答を返してくれました。そう、第二回LTP合作の取材ニコマスとPの編集部員としてやらせてもらった時、僕は取材を楽しみながらも合作メンバーに混ざれなかったことに対し忸怩たる思いを抱いていたのです。これはそのリターンマッチを果たす千載一遇のチャンスに他なりません。
しかし、僕は内心乗り気であることを悟られないように「しょうがないにゃあ~」と、ダメダメ似非ロッカーの多田李衣菜ちゃんを持ち前の面倒見の良さで愚痴りながらも支えるアスタリスクの相方前川みくにゃんのような絶妙なツンデレ配分で返事をしたような記憶があります。このへんお酒飲んでたし店員さんの袴姿に目を奪われていたのであまり記憶していません。

そして時は流れて10thライブが美しい終幕を迎えた7月18日、ミントガムPの口から公式に「ミリオンライブ三周年の公開を目指しLTH合作を企画する」という発表が出されました。同時にわたハバネロPが副主催の任についたことも発表。それが半年余りに渡る、ダイヤモンド製の茨が生い茂る道をたどるかのような冒険の始まりでありました。

■完成までの長い道

そこからは折にふれてミンガムくんといろいろ話し合いながら合作の大枠を作っていきました。「LTHのソロ曲50本をぜんぶやる」というトチ狂った判断はどうやら僕が原因らしいとミンガムくんは主張しますがまったく記憶にありません。当時はガルパン劇場版が公開される前のことではありましたが、既に僕の中にはポジティブな思いを胸にノリと勢いで押し切るアンツィオ魂が根付いていたに違いありません。
音源を担当していただいたkrolikPや、サーバーを提供していただいたR2Pといったスタッフ陣にお声掛けをして土台を作りつつ、誰を合作に呼ぶかということなんかを話し合ったりしながら、ぼんやりとしていた合作の輪郭が少しずつ見えていったこの時期は、なんだかんだで一番楽しかった記憶があります。
「この人に依頼とかいけるかなあ」という主催を、「依頼するだけならタダなんだから、誠心誠意お願いしてダメだったら諦めよう!」という能天気な言葉で交渉の場に送り込んだり、「僕この人とコンタクトとれないからハバニキ出演交渉してきて~」というミンガムくんの言葉に「しょうがねえなあ……」と連絡したりするのがこの頃の僕の主なお仕事でした。

しかし、9月の中ほどに参加メンバーへの依頼がほぼ完了したあたりで、僕はあることに気づきます。
「なんかメンバー表の人数と陣容がえらいことになっとる」
もっと前に気づけ。

「この人呼べたら楽しいよね」というメンツをかたっぱしから招集した結果、メンバーの豪華さは全盛期のレアル・マドリーもかくやというレベル。ジダンフィーゴベッカムロナウドロベカルマケレレがラウールが……とかそんな感じです。しかもそれがだいたい6チームぶん。どう頑張ったって本田でしかない僕はだいぶビビりました。
とにかくこの人数をミンガムくんと二人で御するのはどう考えても無謀であると気づき、僕がカタカタ震え始めたのを見かねたのか、経験豊富なR2Pがこんなアドバイスをくださったと記憶しています。
「メドレー3つなんだからそれぞれにパートリーダーを立てよう。ミンガムくんの負担も軽減できるし」
 この時点では既にアンケートを取って誰がどのパートに入るかは決定済みでした。したがって、ViパートからはぷっつんP、Voパートからは光線Pという、いずれも実績・経験ともに十二分なお二方がリーダーに選ばれ、そしてなぜかそこに混ざって僕がDaパートのリーダーに抜擢されることに。「パートリーダーなんて中学の時の合唱コンクール以来だよ大丈夫か僕?」と思ったことは今でも覚えています。そして、メドレーごとに合作会議室を立てて、本格的に合作の製作が始まったのでした。


そこから完成に至るまでの道のりはまあホントにいろいろありましたとしか書けません。
ぶっちゃけ公開一週間前の時点で「これもう(間に合わ)ないじゃん……」と思ってたし、2月に入ってからの僕の絶望っぷりたるや、現実逃避にうっかり疑似m@sを二本もあげてしまった挙句、来月に控えた百合子誕の動画と全然関係ないアイルのMADを作り出してしまう始末。
自分の担当パートをまさか公開日当日の朝にあげるとは思っても見ませんでしたし、最後の最後にちーじゃさんがおもいっきりやらかしてくれたのも想定外でした。
このことから得られる教訓は「余裕を持ってスケジュールを組もう」という一言に尽きるのではないでしょうか……。おかしいな、余裕を持って全体のスケジュールを組んだはずなのにどうしてこうなったのかしら……。

とまあ、そんなこんなありましたが、ミンガムくんも僕も参加してくれた皆さんも、不思議と「27日に公開する」という当初の目標を諦めるようなことはしなかったんですよね。正直公開二日前の時点で「万策尽きたああああああ!」と叫びたい気持ちでいっぱいでした。
なにせ、公開日と友人の結婚式がかぶるという強行日程に襲われた僕をはじめ、PCトラブルやら体調不良やらに見舞われた人、公開直前に出張に行かされてた人、挙句ちーじゃさんの擁護しようのないクソみたいなやらかしまで発生したのに、ですよ。失礼な話、この惨状を見て誰か一人は失踪すると思っていたほどです。しかし、誰かがTwitterで言ってたような気がしますが、「主催が最前線で戦っていたから、誰も逃げるっていう選択肢は考えなかった」というのが結論なんじゃないでしょうか。やっぱり主催ってすごい。心からそう思った。
徳島ヴォルティスに行きたくないので、ミンガムくんを褒め称えてこの段は一旦締めとさせていただきます。

■担当パート解説:美奈子編

……というわけで誰も幸せにならない内情暴露はこのへんにしておいて、担当パートの解説をば。EDで公開されたとおり、僕は今回美奈子パート可奈パートに関わらせていただいております。

まずはメインで動画編集を担当した美奈子パートから。
いつものハバネロPの動画です。終わり。
……これじゃダメぇ?ダメか。

打ち上げ生放送でも喋ったとおり、シアター組を担当するプロデューサーにはどの曲を担当するか第五希望までアンケートを取ったのですが、美奈子の『SUPER SIZE LOVE!!!』は第三希望にあげていた曲でした。そこからなんやかんやでこの曲を担当することになり、まず考えたことは「作りやすそうでよかった」ということです。なんというか、「一番普段の僕の作風に近い曲」だったので、特に難しいことを考える必要はないという安堵感がありました。おそらくミンガムくんもその辺を考えて僕にこの曲を振ったのだろうと思い、いつもどおりやればよかろうという方向性はほぼ決まっていました。
その上でチャレンジとして自分に課したことが2つありました。
ひとつは「前に作った美奈子動画のリベンジをする」ということ。

これについては生放送でも喋ったとおり、ミリマスで作った二本目の動画ということで、今見返すと色々拙い部分も多く、美奈子というキャラクターの魅力を今ならもっと引き出せるだろうという思いがあったからです。

もうひとつは、「出来るだけカロリー抑えめで、美奈子の良さを全面に押し出す」ということ。気づけばすっかりカロリーの申し子と化してしまった美奈子ですが、本来は笑顔が眩しく、あふれる元気が見る人にもパワーを与えてくれるようなそんなアイドルであると僕は常々思っています。
ゲーム中でもご飯や食べ物を持ってるカードが多い印象がある美奈子ですが、それと同じくらい豊富にライブの情景を映したカードも多いんですよね。なので今回は勢いのある曲に乗せて、佐竹美奈子というアイドルの持つ「パワー」を見せていくことに注力したつもりです。

そんな美奈子パートですが、なにより嬉しかったのは、公開後「おかわりー!!」のところでめっちゃくちゃ分厚い弾幕がついてくれたこと。
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ニコマス動画はコメントがつかなくなった」と言われて久しいこの時代、自分の作ったシーンにあんな大量のコメントが流れるのを見れたことは、とてもとても嬉しい事でした。「アイドルちゃんのサーチャージはコールなのです」というならば、やはりニコマスPにとっての燃料はコメントであると実感した次第です。
あと打ち上げ生放送でしょうひらさんや黒崎P、ゆっぴPにお褒めの言葉をいただけたのも恐悦至極の至りでありました。黒崎さんに褒められた時はガチで涙が滲みました。だって黒崎さんの動画大好きなんだもの。その様子は打ち上げ生放送のタイムシフトで見れるので、本田の涙声が聞きたい人はなんか探しだして見てみるといいのではないでしょうか。

■担当パート解説:可奈編

続いてはVoメドレーの可奈パート。こちらではみやりゅーさんにイラストを描いていただき、僕が編集して動画にするという形で製作させていただいてます。
……これがもうめちゃくちゃ難産でした。どれだけ難産だったかというと、公開日当日の朝に完成版が上がったレベル。正直こんなにヤバさを感じたのはニコマスP歴8年の中で初めてだったかもしれません。

今回は絵コンテと編集を担当させていただいたのですが、まず絵コンテを作る時点でクソほど苦しむはめになりました。普段からあまり絵コンテとか切らない上に、ここ一年半ほどは完全に「素材ありき」の動画製作に移行していたため、「ゼロから絵を考える」ということがめちゃくちゃしんどかったのです。おかげでコンテ描くのに一ヶ月ぐらいかかってしまいました(並行作業という名の現実逃避を兼ねて美奈子パートの作業をしていたのが大半の原因なのは秘密)。
そんな状況でコンテをみやりゅーさんに渡した罰が当たったのか、その後の作業の進行が思わしくなく、ようやく動画の形が見え始めたのは公開日の三日前という恐ろしいまでに綱渡りなスケジュールを強いられる羽目に。なんとか完成させて家を出たのは、先述の通り友人の結婚式がかぶっている公開予定日の朝七時半。フラフラになりながら集合場所にたどり着き、友人の車に乗るなり「徹夜明けだから……」と死んだ目で呟いたら心配と哀れみが混ざった目でこちらを見られました。披露宴の来賓挨拶の途中で意識が飛びかけたのは内緒です。

そんな半死半生で仕上がった可奈パートですが、「カード素材だけでは見られない情景を可能な限り作る」ということと「イラストの魅力を殺さない」ことが編集担当として意識した部分でしょうか。
「せっかく絵を描いてもらうのだから、オリジナルの良さを活かしたものにしよう」
一言でいうならこんな感じです。
また、後ろに続いた先導者Pには亜利沙パートとの繋ぎを「美しいパス」とガゼッタ・デッロ・スポルトの記者のように褒めてもらいましたが、あれは「もう何も思いつかないから歌詞に頼ろう」という苦し紛れのパスであったことをここで告白して懺悔しておこうと思います。でも結果として綺麗なゴールに繋がったんだから一点は一点だな!(開き直り)

■謝辞、そして最後に。

なんだか最後に謝辞を置くと卒論で苦しみながらけいおん合作を編集していた五年前のことを思い出して胃が痛くなるのですがそれはそれ。


エンディングのコメントでも書きましたが、この合作は関わってくれた全ての人の力によって成功に導かれたと思います。動画担当、CM担当、サムネ担当、音源担当とさまざまな力を貸してくださった66名が誰か一人でも欠けていたら、おそらくこの合作を今視聴者の皆様の目に届けることは出来なかったと思います。改めて、関わっていただいた全ての方にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

さて、その中でも特段にお礼を言わなければいけない人が何名かいらっしゃいますので、此処から先は個人あてにお礼を書き連ねていきたいと思います。


まず、公開一週間前にいきなり「Daメドレー全体の編集をお願いします!」と土下座しながらお願いすることになった黒崎P。本来は各メドレーのパートリーダーが全体の編集をするという予定だったのですが、可奈パートの進捗がご覧の体たらくだったので、無理なお願いを承知で頼みこむことになってしまいました。そんな無茶を快諾していただいたことには本当に感謝しかありません。結果、プジョルのやらかしたとんでもないパスミスを至近距離から顔面で受ける羽目になってしまったことについては、心からお詫びを申し上げたいと思います。思えば3rdライブ仙台公演の時もいろいろお世話になりましたし、2016年2月の僕は黒崎さんなくして成り立たなかったと思います。もし今度会う機会があったら、お詫びと言ってはなんですがじっくりケイダジトークをしましょう(いやアイマストークしろよ)。


続いて、可奈パートでコンビを組んでくださったみやりゅーさん。まずコンテ投げるのが大幅に遅れたこと、そして作業量を考えずにめちゃくちゃな数の枚数を依頼してたことを全力でお詫びさせてください。なまじ自分も絵がかけるばかりに、「僕より上手い人なら僕より作業スピードが早かろう」と甘すぎる見積もりをしたことがだいたいの原因です。ギリギリまで完成をお待たせする羽目になったのも本当に申し訳ない。そんなギリギリの状況下でありながら、表情豊かに飛び跳ねて歌う可奈の魅力を存分に引き出すイラストを描いてくれてありがとうございました。もしまた機会があれば今回のリベンジをしたいものですね。お互いに色々と反省点も見えてきたと思いますし、次はきっともっといいものが出来るはず!


最後に、主催として僕達みんなを引っ張ってくれたミントガムPへ。
信じて役目を託してくれたのに、頼りない副主催でごめんなさい。いろいろと反省点をあげればキリはないですし、大変なこともしんどいことも山ほどあったこの数ヶ月だったけども、今振り返ればお互いにただただ無我夢中で楽しかったなあという感想にたどり着きます。ミンガムくんが常にまじめに合作の成功を考えてくれるからこそ、僕はそれを面白くする悪巧みや、主催を笑顔でいろんなPとの交渉という死地に送り込む仕事に徹することが出来たのかなあと思います。
ホント頑張ってやりきったよね。ニコマスにもう一度でっかい花火をあげたいね」って話しながら色んな事を話し合って決めていったけど、その目標をこうして達成することが出来たのは、やっぱり最前線で誰よりも一生懸命に戦ってくれた主催の力が大きいのだと思います。だからいっぱい自慢していいと思うしもっと自信持っていいと思う。大阪公演で会うときは最高に美味い祝杯を上げようぜ!!ほんとお疲れ様!!!ありがとう!!!!



というわけでこの記事をもって、僕の中のLTH合作はようやく終わりを迎えられそうです。
765プロライブシアターのアイドル50人全員がステージに立つてづくりの武道館、その夢の様なステージをご堪能いただければ幸いです。
そしてなによりも、この合作を観てくれた人が、「次は自分もミリオンライブで何かをつくりたい!」と思ってくれたらそれにまさる幸せはありません。
てづくりの武道館はヒトツじゃないんです。
それを作るプロデューサーによって、如何様にも姿を変えていく。
それこそ何千通り、何万通り……ううん、文字通り百万通りにだって。
そうした世界がニコマスをはじめとした二次創作の世界に広がるのなら、それがミリオンライブというコンテンツを愛する僕にとっては、最大の幸せなんじゃないかと思います。

拙くても構いません。
そこに情熱があれば、見た目や内容はきっとあとから付いてきてくれます。
未来ちゃんをはじめとしたアイドルたちが、三年の月日を通して、徐々に、でも確実にアイドルとしての輝きを放ちだしているように。

さあ、あなただけのてづくりの武道館を、僕達と一緒に作っていきませんか?