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「みんなで叶える物語」の蓄積と共有――『ラブライブ!』第二期で僕たちが見たもの

アニメ ラブライブ!

あぁ^〜ラブライブ難民になるんじゃ〜。ハバネロです。

というわけで、日曜の関東、月曜日の関西及び中部でのテレビ放送につづいて、今夜(火曜日)のバンダイチャンネル配信をもって、多くの人がラブライブ!』第二期の最終回を目にすることになるかと思います。
僕はなんかもう魂が抜け殻になりかけているんですがそれは。
俺はニコニコで見るんだよ!って人もいるかもしれませんので、ネタバレを含む感想が嫌な人は今すぐブラウザバック推奨です。

第一期からの「継続」であり、「変化」を意識した第二期。

さて、そういうところで第二期の総括をするわけですが、第二期は「第一期でやれなかったことをきちんとやる」ということをかなり意識した、いわばリターンマッチとも言うべき内容になったと個人的には思います。
その要素を強めているのは、具体的に言えば、
・第一期で掘り下げきれなかったキャラクターのお当番回を設ける
・第一期で描けなかったラブライブ本大会への挑戦を描く

という二本柱だと思います。
このうちキャラクターの掘り下げに関しては、第四話(にこ先輩回)、第五話(凛ちゃん回)、第八話(希先輩回)が充てられました。
また、ラブライブ本大会への挑戦の過程では、第一期では「あこがれの存在」でしかなかったA-RISEがライバルとして立ちはだかる展開もあり(第三話、第九話)物語を大いに盛り上げることとなりました。

もう一つ重要なのは、作中時間で第一期から第二期へ、そしてさらにその先を見据えた「時間的な変化」の要素が大きくなってきていることがあげられます。
第一期は時系列的に春〜秋の初めの話に相当すると考えられるのですが、第二期では秋〜その次の春までの時系列が描かれています。
そのため、具体的に追加された要素として
・練習着が秋冬仕様になっている
・μ'sの存在が全校規模で認められ、応援されているという描写の強化
・穂乃果たち二年生が生徒会の役職を引き継いでいる
・絵里・希・にこ先輩の「卒業」を意識したエピソードの増加

とくに、第一話でこれらの要素をさらっと提示して見せたのは上手いと思いましたし、生徒会役員としてのあり方を描いた第七話や、全校生徒の助けによってライブを成功に導いた第九話はこうした変化なしにはエピソードとして成立しなかったことでしょう。
また、そうした部分は第一期と第二期のキャッチコピーの違いにも現れていると思います。
第一期のキャッチコピーは「叶え、私達の夢ーー」でしたが、第二期では「みんなで叶える物語」となっています。
このキャッチコピーはμ's自身のキャッチフレーズとして第十話で印象的に提示されたわけですが、あのシーンの感動は、「ラブライブで優勝する」という目標が、μ'sだけのものでなく全校生徒によって支えられているものである、というそれまでの補強もあったからこそではないでしょうか。
そして、それがあるからこそ、続く第十一話での「μ'sを自分たちのものとして、三年生の卒業をもっておしまいにする」という決断の尊さが増すわけですし、第十二話でのアンコールで、それでも「全校生徒だけでなく、観客もふくめた『みんな』がμ'sを応援している」様子、第十三話の卒業式で全校生徒による「愛してるばんざーい!」の歌唱シーンなど、μ'sを超えた「みんな」がひとつになる描写が、一定の強度を持って僕たちの涙腺を刺激してくるわけです。

アニメの内外で蓄積・共有されたものが爆発する最高の瞬間。

更に、そうした「みんなで叶える物語」としての要素は、作中の描写のみならず、視聴者である僕たち自身にも関わってくるところだと思います。

まず、第二期全体のシナリオとして「どこへ着地するか」という目標が、キャラクターだけでなく視聴者の間でもきっちり共有されたことはとても重要であったと思います。
第二期シナリオの出来不出来については、人によって、あるいは各エピソードによって意見が分かれるところもあると思いますが、少なくとも賛否両論の嵐が吹き荒れまくった第一期の終盤よりは、よほどマシであったと思います。
それはやはり「ラブライブ本大会への出場、優勝」と「三年生の卒業」という着地点が最初の時点ではっきり示されていたことと無関係ではないと思います。

そして、見ている側にそう思わせるに足るだけの、さまざまな要素の「蓄積」と「共有」が第一期と第二期の間できっちりなされたことが最大のポイントではないでしょうか。
僕自身もそうでしたが、第一期が放送されている時点では、アニメ化以前のファンを除けば、キャラクターの人となりや楽曲などについて手探りで知っていった視聴者が多かったことと思います。
「最初はただの女の子が可愛いアニメかな?」と思ったら第一期三話の講堂ライブでおもいっきり打ちのめされてずぶずぶハマり、ベスト盤買っちゃったらどんどんCDも増えていって……みたいな人はだいぶいたんじゃないでしょうか?w
そして第一期の終了後、各キャラクターを掘り下げた書籍であるSIDシリーズの発売や、スクフェスの盛り上がり、二回のライブを経て、色んなものが視聴者である僕たちの中に蓄積していきました。

そうして蓄積・共有された文脈の数々を、第二期では感動のスイッチとしてとても上手に利用していたと思います。

たとえば、第一期での山あり谷ありの展開を経て集まったメンバーだからこそ、彼女たちの絆の強さを無条件に信じることが出来たのだと思いますし、第一期十三話でA-RISEがμ'sに興味を示しているという伏線があったからこそ、二度に渡る直接対決が盛り上がったのは否定の余地はないでしょう。
僕はにこ先輩が大好きなので、にこ先輩のアイドルへの熱い思い、そして一度は仲間を失っているからこそ、仲間を大事に思い「μ'sは皆がセンターよ」と言う姿を見て死ぬほど感動したわけですが、これもキャラクターの背景を知ったからこそです。あるいは、希先輩派の方々は、いつもミステリアスで余裕を見せている彼女からは想像できない姿を見せた第八話に思うところが色々あったでしょうし、凛ちゃん推しの人は第五話の展開に胸の鼓動がりんりんりんがべー不可避だったことと思います。

また、より分かりやすい例を挙げれば、第九話で雪の中ライブ会場へ向かわんとする穂乃果たちの姿に、2月のSSAライブで体験した地獄の雪中行軍を思い出した人は多くいた事と思いますし、その後に続くライブシーンで『Snow halation』が披露された際、ライブでのお約束である白→オレンジへのサイリウムへの変化を再現して見せた時は思わず声が漏れたことでしょう。もっと言えば、その前の第八話でスノハレの歌詞が提示された時に、すでに高まる期待感を抑えられない人もいたでしょうね。
そして、第十二話でのアンコール、『僕らは今のなかで』に乗せて第一期のOPが披露された時、「これ使いまわしじゃねえか!」なんて野暮なことは一切思わずに「おおおおお!」と感嘆の声を漏らした人、第十三話で真姫ちゃんのピアノが『愛してるばんざーい!』のイントロを奏で始めたとき、「これサントラで聞いたやつや!もっと言えば第一期の初登場シーンで弾いてたやつや!」ってなって感動の涙を流した人もいっぱいいたんじゃないでしょうか。そして、屋上で穂乃果が今までの記憶をフラッシュバックさせていくシーンに、また最後のPVが第一期の第一話で披露された『ススメ→トゥモロウ』、及び第二期の最初のミュージカルシーンを意識したものになっていたことに、計2クールにわたって語られた『ラブライブ!』という物語の終わり、大団円を感じたことと思います。

Notes of School idol days

Notes of School idol days

KiRa-KiRa Sensation!/Happy maker!

KiRa-KiRa Sensation!/Happy maker!

そうした意味で、『ラブライブ!』第二期はキャスト・スタッフ、そして我々視聴者も含めた「みんな」が、ずっと蓄積・共有してきたものが一気に爆発するような最高の瞬間であったと言っていいでしょう。

劇場版の製作・公開も発表されましたが、そこでは一体何を見せてくれるんでしょうか?
まだまだ、『ラブライブ!』は目が離せないコンテンツであり続けるでしょう。
みんなで叶える物語ーーその続きに期待しながら、今回の更新を終えたいと思います。