2013年上半期ニコマス20選

最近Pというよりも提督といったほうが正しい気がする。ハバネロです。
そんな状況ですが、初回以来皆勤を続けてきた20選は意地でも参加する、というところになけなしのPとしての魂を感じるそんな日々です。

というわけで今期の20選です。
見てる数は減ったと言いながらも、印象に残る動画を選んでいくとなんだかんだで結構あってビビる。その中でも特に自分が何か書きたいとかそういうものを選んで行ったら、結果的に15選になりました。
それでは参りましょう!

基本レギュレーション
・対象は2013年上半期(1月1日〜6月30日)に公開されたニコマス動画
・自身のセレクトを20作品以内でブログ・ブロマガ・マイリストなどで公開
・1Pにつき1作品
・選考基準はフリー(お気に入り・埋もれ発掘・テーマに沿って等何でもオッケー)

水谷絵理】City talk【im@sコラボPV】/ アゥP


一発目から編集長のステマをする編集部員の鑑。
……という冗談はさておいて、僕が「HAKOBAKO PLAYER」の中で描こうとしたもの、それが三年の月日を経て、こんなにも美しい形で補完される、それを奇跡と呼ばずしてなんと呼べば良いのでしょう。
電子の海に没入する安息、それでも人間である以上、一個の人格存在として人の群れの前に立たねばならないことへの葛藤……
一方で三年経って、HD素材で絵理が踊る姿が形になったからこそ、ここまで鮮やかな「水谷絵理」を描き出すことが出来たのだとも思うわけで。
そう考えると、月日が過ぎても水谷絵理の存在が一個の人格として脈々と存在し続けてきたこと、そんな奇跡にも感謝せざるを得ないのです。

アイドルマスター】“MirrorDance”PV【あずさ】/ えびP


カクテル7で公開された数々の名作の中でも、元PVの再現度の高さがひときわ目を引く作品だったのではないでしょうか。
その再現を可能にしているのはえびPの持つ技術力によるところがもちろん大きいのですが、それと同時に、あえてあずささんにこの曲を選んだ意図にも思いを馳せたくなります。
あずささんは、「運命の人」を見つけるためにアイドルをやっているという、765プロでは特異な立ち位置を持ったキャラクターです。そのことを考えると「夢を見続けるだけの嘘も 君にただ会いたいと願ったんです」「今日を楽しめば時は流れ 君と笑いたいおいでどうぞ」 という歌詞が、随分と深い意味をもって響いてくるのではないでしょうか。さすがはえびP、「すごい!かっこいい!」だけじゃ終わらせない。

個性がない!/ まないたねるねP


タイトル見て動画開いた瞬間、ああ畜生やられたなー!って思いました。
ズルい。そして上手い。
動画の画面構成の上手さもさることながら、楽曲の持つテクノロックらしさ、シリアスな切迫感を見せるサビの演出とメロ部分のコミカルな演出、その落差がまた心地よいのです。
そしてラストサビ、様々な衣装に身を包んで踊るアイドルたちを見ると、衣装や外見では測れない「その人らしさ」が「個性」なのではないかなーと思うわけです。
個性がない!なんて冗談じゃないぜ。

[I→Y]+10y 「オレンジの中のメッセージ」/ M@co.jP


二年前、カクテル6で公開された、本作の対になる動画(http://www.nicovideo.jp/watch/sm20230948)については、当時の20選で既に語らせてもらいました。
あれから二年経って、対となるアイドルをカクテルで引き当てた結果、こうして再び物語が紡がれるというのは、なかなかドラマチックです。
動画の中のやよいと伊織、一度は道を分かった二人の絆が十年たって再び交わるということ、また、それを描くのにふさわしい曲がほかならぬ水瀬伊織の声を持つ人によって歌われるということ……この動画には奇跡が満ち溢れていると思います。
薄く涙を浮かべた再会の後に、スマートフォンのディスプレイに映る二人の笑顔。これ以上の説得力を持って「100年たってもやよいおり」という言葉の真実味を語れ、と言われたらちょっと困ってしまいますね。

エミネムさんが菊地真ちゃんについて教えてくれるそうです / 真人間P


上半期のニコニコ動画におけるムーブメントとして、「エミネムさんが教えてくれるシリーズ」は外すことは出来ないでしょう。
気づけばアイマスにも飛び火してて、こういうネタに食いつきたがる癖のある僕としては「気が向いたら真について教えてくれる動画作るか」と思ってたんですが……案の定先越されましたね!
しかもこんな素晴らしい歌詞のクオリティで。真のことよく分かってないとこの歌詞は書けない。真人間P、期待の真士と言って良いでしょう。
い つ か 潰 す(ぼそっ)

【手描きMAD】Do You Want To / 利根川P


「センスあるな」って褒め言葉はボンヤリしてる上に、自分のボキャブラリーの浅さが露呈するのであんまり使いたくないんですが、あえて言おう。
めちゃくちゃセンスあるな!
曲に合わせて絵や動画の配色とデザインを作る、というのは基本といえばそうなのですが、それを極限まで高めるとヤバイことになる、はっきりわかんだね。
ポップさとレトロさが入り交じるオシャレな世界観は、まさに楽曲にジャストフィットと言わざるを得ない。
僕には逆立ちしたって出来そうにないですわw

モバマス紙芝居】杏と忍の春風 / 三角木馬P


この動画が目に入った時、まず思ったのは「珍しい組み合わせだな」でした。モバマスでも工藤忍というアイドルはなかなかスポットの当たりづらい子ですし、まして杏との組み合わせを見たのは、恥ずかしながらこの動画が初めてでした。
というか「杏と合わせるならきらりじゃないの?」とまで思ってたんですが、動画を見ているとそんな思いはいつの間にか消えていました。
この曲を通して、動画の中で描きたいもの……一生懸命な忍が、怠惰な杏を少しずつ変えていく、そして着実に進んでいく、その姿を描くためには、この二人でないと駄目なんだ、と納得させられてしまったからです。
曲と絵に込められたありったけの情熱が、見る人の心を震わす一本です。この動画に、ぱっと目を引くキャッチーさは無いのかもしれません。でも僕の心はこういう動画についつい惹かれてしまうのです。

【人力VOCALOID】閣下は憂鬱/ルカ様は憂鬱【春香誕生祭遅刻】/ 竹端さん・クローゼットP(合作)


これまた自分にとっては悔しさと嬉しさが入り交じる複雑な作品です。
かつて、ボカロ好きの友人から「この曲いいで―、春閣下で作ったら?」みたいなこと言われて原曲を紹介されたのですが、「気が向いたらなー」とか言ってたら何年か越しでホントに出てきちゃったよ……!!
しかも人力ボカロとカッコイイ動画のオマケ付き!
こういう奇跡がたまーに起こったりするから、ニコマス見るのはやめられませんね。

アイドルマスター ゆいかおり「PUPPY LOVE!!」みきはるか / ぎょP


カクテル本番で見た時に「ぎょPがゆいかおり!?」という意外な選曲にまず驚いたものでした。
なのですが、蓋を開ければダンスが楽しくアイドルが可愛い、実にいつものぎょPらしさが詰まった一品になっていると思います。
ぎょPといえばオールスターや多人数で見せるPVが印象に残りやすいですが、デュオ曲ということで掛け合いやシーン切り替えがリズミカルに使われているのも巧さを感じさせますね。
あときょろきょろ春香さんかわいい。

橙 / sub郎P


よく、「二次元に行きたい」っていう言葉聞きますよね。
僕も折にふれてそう思うことがあります。
ただ、果たして向こう側に行って、妄想通り自分の愛するキャラクターと関係を築けるのかどうか?っていうことは疑問でもあります。
……なんでこんな話から入るかというと、この動画の語り手はまさに、「菊地真が存在する世界における僕」だと感じたからです。
きっと向こう側に行って、真と偶然関わりを持つようなことがあったとしても、僕はこの動画の語り手のように、それを一瞬の思い出にして、歩んでいくことしかしない……いや、出来ないだろうと思うのです。
それでも、どこか自分の知らない場所で、真が頑張っているってことを思って、今日も頑張ろうって生きていけるんだろうなあって思うわけです。
……それってあんまり今やってることと変わんないね。もうこれわかんねぇな。

【MAD】疾走 (アイドルマスター) / MIP


ニコマスLAST ALLIANCEといえばMIP。そしてラスアラといえば「疾走」。
この組み合わせがやっと見れた!というだけで僕にとっては大変に価値のある一本。
しかもそれが、MIPらしいクールな動画作りでもって、曲にふさわしい熱さを描き出す一本となっていれば、ラスアラとMIP、双方の大ファンとしては満足の一言。
やっぱり、アイマスって「情熱」の物語なんですよ。そこが僕を惹きつけてやまないんです。
右手左手ふりかざして、闇を切り裂いてGO!!

10年20年 / ふりそでP


こうしたアイマスニコマスメモリアル的な動画は定期的にあがってくるわけですが、今年でアイマスも8周年、ということで10年という数字がリアルに手の届くものになってきたことを考えると、その重みはまた違ったものに見えてきますね。
アイマスの世界も随分長く続いてきましたし、良いことも悪いことも、それこそ沢山ありました。でも、なんだかんだでずっと続いてるし、これからもきっと続いてくだろうと思うのです。
この先に何が待っていようとも、笑って泣いてを繰り返して前に進んでいけることを、心から祈りたくなる、そんな動画です。
ファンとして自分がアイマスに関わってきたこと、その中で見てきたこと、色々思い出してしまいます。
10年、20年経ったとき、僕はこの日々をどう思い返してるんでしょうか。それともまだ、アイマスとの幸せな関係は続いているんでしょうか。

THE EXPEND@BLES shiny festa【MUSIC♪】/ しおりのたな さん(投稿者名)


無駄に丁寧な作りの冒頭で「おっ?」と思わせておいて、そこから続く銃撃音のゴリ押しで、もうお腹痛いwww
そしてサビの絵面で第二波がヤバイ。
気合い入れたネタ動画とはこうやって作るんだ、というお手本のような一本ですね。
個人的には足技の冴え渡るヴァンダミングアクションの使い方が好き。

アイドルマスター 春香 「ハレルヤ」 / オペラP


個人的に今期のMVP動画を一つ選ぶとしたらこれ。20選自体が、「今期ニコマス動画で打線組んだwww」な企画なのですが、その中でもこれは抜群に素晴らしいと思います。
動画全体からあふれる「生命力」と「祝祭感」が最高に素晴らしいんです。
ここに自分が在ることをまっすぐに肯定して、そしてそれに全力の感謝を表す春香さんの、なんと眩しいこと。歌詞字幕の出し方もとても好きです。
そしてなんといってもラストサビ。「そこにみんながいる」ことの喜びを感じずにはいられません。「みんなちがって、みんないい」なんて陳腐なセリフだけど、この動画を見ると、それぞれちがうみんながいる、ということがどれだけ素晴らしいか、ということを思わずに居られないのです。
お涙ちょうだいの要素なんてみじんもないのに、なぜだか涙が溢れてしまいますね。ほんとなんでだろう。

アイマスMAD】 明日があるさ 〜プロデューサーで行きましょう編〜 / シーバスP


これもメモリアル的な性質を含む動画ですが、センチメンタルにこれまでを振り返るというよりも、拡大を続けるアイマスワールドの「今」にフォーカスし、「プロデューサーって大変だけど楽しいよな!」を全面に押し出した良作です。ほんと改めて見るとアイマスワールド色々あったわ、とちょっとオッサンぽく思い返してしまいますねw
全体に漂うコミカルで暖かな雰囲気と、赤羽根Pの歌声が非常にマッチしてますね。
プロデューサー諸君、明日もまた頑張っていこうか!

即席ロックンローラー多田李衣菜 / 柏城P


もうなんか、色々ズルい動画だよなあこれ。
まずBGMがUNISON SQUARE GARDENとか反則。
勢いのある筆致で描かれる皆の表情がホントいいし、ほのぼのとした空気感がたまらなく癖になってしまいます。
だりーなってにわかキャラな割に、ウザがられないで逆に愛されてしまうキャラだと思うのですよ。
それはなぜかって、多分「ロックが好き」っていうまっすぐな気持ちが根底にあるからなんだろうなーとか。
そうしたことを考えると、作中でしぶりんやなつきちが見せるどこか優しげな表情がまたいいんだよなあ。
そして何よりラスト。
光の中、ステージに立つだりーなとなつきちの後ろ姿がもう、最高すぎて困りますね。