来た、見た、作った。−暴君によるニコマスメモリーズ その1 07年8月〜08年6月
最近はニコマスPよりももっぱらポケモン廃人と化している感が。ハバネロです。
といっても美希誕生祭あたりにむけて新作の準備もしていますし、裏で色々動いていたりするわけなんですが。
リアルまわりのごたごたもなんとか一区切り付きそうな気配ですし。
で、そんな折にこんな記事がきたもので。
こう客観的にニコマスはこうなってきました……というのではなくて、「俺の見てきた史実はこうだったんだ!」という主観ばりばりなやつ。MAD作成者側でも、所謂見る専でもそれぞれ見てきたフィールドってのが違うと思うんだよねぇ。そこら辺のところをみんなが書いてくれないかなぁ、となんとも他力本願な願望を抱いているわけです。
なにそれ面白そう。ということでひとつ乗っかってみることにしたいと思います。
ここらでひとつ、自分の見てきたもの、その影響のもとで生まれた自分の作ってきたものについてまとめておくのも一興かな、と。
かなり長くなると思われるので何回かに分けて語っていきたいと思います。お付き合いのほど、よろしくお願いします。
2007年8月29日の衝撃。
さて、まずはアイマス/ニコマスとの馴れ初めから語っていかねばならない訳で。
アイドルマスターというゲームの存在自体は、実態がよく分からないながらもその存在はニコマス以前より頭の隅に置かれていました。
06年あたりに名前を聞いたことがあるような記憶が残っているのですが、その当時はまったく興味を持たず。
07年の箱版発売後、ネットで話題を読んだあの悪名高き「セクハラさん」もYoutubeで見た記憶がありますがさほど興味を惹かれず、むしろ同時に貼られていた千早のπタッチ動画の方に興奮していたような記憶があります。
アイドルマスター 美希 セクハラさん ‐ ニコニコ動画:GINZA |
その直後あたりにニコニコ動画のアカウントを取得したわけですが、主にアニメMAD、音MAD等の視聴をメインにしていました(今でもよく見ているジャンルではありますが)。
アイマスに関しては、とかちラーメン大盛りもわかむらPやマミタスさんによるPerfumeとのコラボ動画も、ただただ「似たようなサムネイルでランキングに上がってきてウザい」という存在以上のものではありませんでした(ちなみにあとでちゃんと見た)。
THE IDOLM@STER アイドルマスター とかちラーメン大盛り ~望みの限りに~ ‐ ニコニコ動画:GINZA |
THE iDOLM@STER 「エレクトロ・ワールド」 by 雪歩・伊織・やよい (字幕入り) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
ところが、そんな僕の前に凄まじい衝撃と共に、アイマスに触れる転機となる動画が現れます。
それがこちら。
アイドルマスター菊地真、誕生日記念動画:まこにゃんダンス(未完成) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
それをたまたまクリックした瞬間、僕の運命の針は大きく動くことになります。
動画の凄まじい作画枚数とクオリティもさることながら、メインを張るショートカットの似合うボーイッシュな少女に、僕は一目見るなり心を奪われてしまいました。
彼女の名前は菊地真。
この偶然の出会いから、今日に至るまで続く僕と真の、そしてアイマスとの付き合いが始まったのです。
07年9月〜11月:黄金の秋。−コミュと、真と、そして野球!?
さて、そんな偶然の出会いから画面の向こうの彼女に恋をした僕ですが、その次のステップとして、彼女の内面をより深く知りたいという願望に至りました。
そこで辿り着いたのが、当時ゲームの真コミュを全部あげていた井川KPの動画だったわけです。
アイドルマスター 真 4月の仕事 虎真01 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
(それ以前に「伝説のもやしもん」という人がいわゆる「最強コミュ」などのコミュ動画をアップされていた訳ですが、僕自身はあまり印象がありません)
最初は真コミュを全部回って、そのあと他のキャラにも興味が出てきたので、この頃はほとんどコミュ動画を見ることに時間を費やしていたような気がします。
相変わらず、ニコマスの中心的位置を占めているはずのダンスPV動画には見向きもせずに。
ダンスPV動画に興味を持つキッカケになったのは、真動画を探していて偶然行き当たったこの二本だったと記憶しています。
[MAD]NEXT LEVEL-Full Chorus ver-(真ソロ) ~アイドルマスター~ ‐ ニコニコ動画:GINZA |
iDOLM@STER&JB 『TURN ME LOOSE, I'M Dr.FEELGOOD』 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
そこからPBとかわかむらPのPSPSとか、えこPのシンデレラガールとか私は忍者だとか、もはや古典的名作と呼ばれるようになった動画たちに触れていくことになりました。
しかし当時は今以上に真のことしか見えていなかったので、相変わらず見てる動画は真中心のものばかりで、そういった古典的名作はマイリスに突っ込むことすらしていなかったという……なので未だに昔のダンス動画の話になると口をつぐむしかない僕がいたりします。
それと同時期にめちゃくちゃハマっていたのが井川KPによる野球ネタシリーズ。
アイドルマスター 蒼い鳥谷(他数名) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
すくなくとも、この時期のニコマスに関しては、大量のダンスPVと、そこから頭ひとつ抜けだしたいわゆる「謎の技術」を使った動画が少数、そしてネタ動画とコミュ動画、という印象が僕の中では非常に強いものとして残っています。
この時期に実はきゃのんPの動画をお借りしてダンス動画を上げたりしていたのですが、わずか一週間で権利者削除の憂き目に遭い文字通り「幻の処女作」となったというエピソードも。
そんなこんなで本格デビューは持ち越しとなったのでした。
08年1月〜4月:これがデビュウ。−疑似m@sの定着とタグロック祭り、アイマスMADプロデューサーの隆盛
そんなこんなで年をまたいで2008年の1月29日。アイマスとの、真との衝撃の出会いからちょうど五ヶ月後、ついに僕がニコマスPとしてデビューする日がやってきました。
井川KPによる「アイマス以外の映像をアイマスの曲と合わせた動画をつくろう!」というタグロック形式のお祭り、「疑似m@s」の開催に先立ってフライングで投稿したのがこちら。
【疑似m@s】ハルヒ達と踊ろう!キラメキラリ【支援……?】 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
天元突破アイドルマスター Kosmos,Cosmos ‐ ニコニコ動画:GINZA |
迷走Fate ‐ ニコニコ動画:GINZA |
ARIA The iDOL M@STER 「その 太陽のジェラシーは……」 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
アイマス×時かけ Swallowtail Butterfly ~あいのうた~ ‐ ニコニコ動画:GINZA |
もともとアニメMAD職人としてほそぼそと活動していたという下地があったので、持てる素材をほぼフル投入してのデビュー戦となりました。
「疑似m@s」というのも、今でこそニコマスの一ジャンルとして定着している感がありますが、その発祥となったのはこのお祭りであり、微力なれどもその盛り上がりに一役買うことができたというのは非常に楽しい思い出として残っています。
そして、現在に至るまでの持ちネタの1つとして「疑似m@s」を使っていく契機ともなりました。
2011年の今でこそ、タグロック形式のお祭りというのは開催頻度が下火になっていますが、当時は最低でも月イチの頻度でタグロック祭りが開催されており(誕生祭も含めると月にニ、三度開催されることもザラにありました)、「Maay@s」や「おかしなみなPへの返答リンク」などなど、参加できそうなところにはどんどん参加していくというスタンスのもと動画を作っていく日々でした。
アイドルマスター Rule 坂本真綾[Maay@s] ‐ ニコニコ動画:GINZA |
アイドルマスター 千早 「ストロボの空」(坂本真綾) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
君も「TV版アイドルマスターOP(レイズナー風)」を作ってみないか? ‐ ニコニコ動画:GINZA |
TV版アイドルマスターOP(レイズナー風) の正しい?使い方の例 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
そして、その頃同時に起きていたニコマスの一大ムーブメントといえば、「アイマスMADプロデューサー」シリーズを外すわけには行かないでしょう。
今や死兆星に召されてしまったわけですが、「北斗の拳」のケンシロウが千早をプロデュースする動画がきっかけとなって類似作品が雨後のタケノコのごとく大量に投下されたこの時期、例によって僕もそのブームに乗っかって多くのプロデューサーを送り出しました。
その中でもウケたのが「ガンダム00」に登場するグラハム・エーカーがプロデューサーとして真をプロデュースする一連の「グラハムが765プロに介入」シリーズでした。
古くから僕の動画を見ている人には、未だに「グラハムの人」あるいは「フルハウスの人」という印象が強いと言われるほどw
グラハムが765プロに介入 真編 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
08年4月〜6月:Side-A−フルハウスの成功と24時間アイマスTVの熱狂
そんな四半期を過ごした後、次になにか新たなネタはないだろうか、と思って見つけたのが開発から三ヶ月ほど経って少しずつ広まっていった頃の紙芝居クリエーターでした。
紙芝居作成ソフト プレビュー版 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
765プロのアイドル達があの海外ドラマに出演したようです1(1/3) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
そしてこれで紙クリによる動画制作に味をしめた僕は、当時募集をかけられていた24時間アイマスTVへの参加を決意。
6/14開催決定!!! 「24時間アイマスTV!」CM#1 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
そして本番当日、リポD1ケースを携えての全枠完走を敢行。
笑いあり涙あり、気合の入ったPVもありと、まさに当時のニコマスの「全て」がぎゅうっとつまった24時間の熱狂と狂騒は、それはそれは楽しいものでした。
僕自身の動画も、コメントと再生数とついでに弾幕にも恵まれ、深夜枠としては上々の結果を残せたのではないかと。
【愛m@s24】一週間二人で一万円生活 765プロ節約女王決定戦 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
そして、愛m@sは続く・・・EDPV) ‐ ニコニコ動画:GINZA |
まさしく、ニコマスのひとつの「区切り」として、またニコマスのみならずニコニコ動画レベルでこれほどまでに大規模で、楽しく、素晴らしいイベントは空前にして絶後……だと誰もが思っていたのですがそれはまた後ほど。
08年4月〜6月:Side-B−熱狂の裏で。苦悩とあらたなる道への一歩
さて、そんな一方で僕自身はというとニコマスPとして苦悩の渦中にあった時期でもありました。
その頃はほぼネタ動画一本で活動していた訳ですが、「果たしてこれは正当に評価されているのだろうか?」という疑問が付きまとって離れなかったのです。
いくら投稿速度を上げても、グラハムやフルハウスがある程度のスコアを稼げども、心のなかでは「PV動画に比べて一段下に見られてるんじゃないだろうか」という不安はいつも胸の内にありました。
今だからこそ言えますが、そんな状況の中で作っていた24時間アイマスTVのあの動画は、自身のニコマスPとしての一区切り=引退作にするくらいの悲壮な覚悟があったりしました。これがダダすべりしたら引退してやろう、という。
そんな不安を抱えながら動画を制作していたある夜のこと、たまたまとある動画との出会いを果たします。
それがメイPの名作「伊織、暴れだす。」でした。
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そこから感情のままに「泣けるアイマス」タグ*1をクリックして辿って行くと、さらに僕の運命を動かすことになるふたつの動画との出会いが待っていました。
アイドルマスター LIFE is... ‐ ニコニコ動画:GINZA |
アイドルマスター 菊地 真 「アナザー・モーニング」 ‐ ニコニコ動画:GINZA |
それと同時に、こう思ったのです。
「自分も、この人達みたいな動画が作りたい」と。
それまで絵なんて一度も描いたことなかったんですが、突然そんなことを思いました。
そんな自分を後押ししてくれたのは何と言ってもGatePの動画の存在でした。
失礼を承知で言うならば、この人の描く絵は、上手い絵かどうかと言われるとちょっと悩んじゃうところでは無いかと思います。
それでも、愛だとか思いだとか、技術のうまいヘタで計れない部分がぎゅっと詰まっていると思ったのです。
自分には「巧い絵」は描けなくても、この人みたいな「思いを込める絵」なら描ける気がする。
ふとそんなことを思ったのでした。
「もし24時間アイマスTVの動画が成功に終わったら、絵を描き始めよう」
今にして思えばホント身の程知らずな勘違いもいいところだなあって笑えるんですが、その勘違いがなければ今の自分がいないだろうってことを思うとちょっとありがたいやら恐ろしいやら。
そして24時間アイマスTVが終わった翌日、僕の手元には白いペンタブがありました。
ここから僕の、ニコマスPとしての新たな一歩が始まったのです。
それでは、その2に続きます。
*1:もう今は「暴れ出す。」にはついてないんですが