「神様のメモ帳」の原作が面白いという話、あるいは「原作レイプ」という言葉にまつわる私見。

最近真面目にニートゆきの街道を猛ダッシュしているような気がしてなりません。
ハバネロです。
僕をヒモとして養ってくれるお姉さんとか、下男(死語)として雇ってくださる資産家のお嬢様はいつでも募集中です。
あと落ち着き先としては跡継ぎのいない農家あたりか。


さて冗談はさておき、クールが変わって新しいアニメがどんどん始まって行ってる訳ですが、今期も注目作が多いですね。
四年来のアイマスファンとしてはもちろん「アイドルマスター」は外せません。
そして安定の「夏目友人帳 参」。
すっかり\アッカリ〜ン!/と妄想眼鏡ちゃんにハマってしまった「ゆるゆり」。
ロリアニメとおもいきやまともにバスケやってて面白い「ロウきゅーぶ!」。
展開が読めなくてついつい見ちゃう「輪るピングドラム」。
19世紀フランスの雰囲気と湯音の可愛さに癒されまくりな「異国迷路のクロワーゼ」。
意外とイケメンが出てくるアニメに弱い身としては「うたのプリンスさまっ♪」も毎回楽しみにしていたりします。

あれコレひょっとして春クールより見てるアニメ多いんじゃね?
むしろ春クールからの続投分(いろは・タイバニ・日常)を加えると過去最高レベルにアニメ見てんじゃね?って気がするんですが。
やっぱりニコニコ配信だったりで好きな時にみられるようになったのはでかいですねえ。テレビとHDDレコーダー起動しなくていいってのも大きいし。


と、なんか話題がそれて来ているので軌道修正。
そんな前評判以上に豊作な今期アニメですが、個人的に一番好みなのは「神様のメモ帳」だったりします。

第一話を観て、セリフ回しとかキャラクターとか雰囲気がすごく自分好みだったのと、あと最近岸田メル絵が好きなのもあって、「ちょっと原作読んでみるか」と思って原作四巻まで買って読んでみたんですが。

神様のメモ帳 (電撃文庫)

神様のメモ帳 (電撃文庫)

なにこれすっごい面白い。
個人的に気に入ったところとしては、

・ヒロインであるアリスの若干中二病入ってる言動の中にある、優しさと諦観の絶妙なバランス
・ウジウジ系だけど、必要なときにはやってくれるおかげかあんまりそれが鼻につかない主人公
・脇を固めるキャラクターたちの魅力
・けっこう重めなストーリー展開ながら、きっちりハッピーエンドに着陸してくれること

あたりでしょうか。

僕は「主人公やキャラクターが迷走して心身ともにずたずたになりながら、状況を打開し最後にはきっちり救われる」話にどうにも弱いらしく、その点このシリーズはめっちゃくちゃツボを突かれました。
特に一巻ではクライマックス以降号泣しっぱなし。
二巻は若干パワーダウンしたかなあ、ってかんじでしたが三巻・四巻は文句なしに素晴らしい出来でした。
「探偵もの」としての完成度を求めると多少厳しいような気はしないでもないですが、そのへんあんまり気にしないでエンタメ小説として読むとよいかと思われます。
そういう観点で見ると完成度と感動度はけっこう高し。

特にdisだとかそういうことはあんまり意識しないで言ってしまうと、昨今のラノベは萌えラブコメ系の作品がパッと見多いおかげか、こういう読む側の心にまっすぐ刺さってくる作品って結構レアな気が。


で、こうやって原作読んでおもしれーなーって思ってアニメ見るとなんだかちょっと勿体無いなあって思ってしまうわけで。
今アニメでは原作二巻に相当する話をやってるわけですが、一巻の内容すっ飛ばしちゃってるんですよね……
一巻ではメインキャラのひとりがわりとえらいことになってしばらく退場しちゃうので、それを避けたかった、というあたりが理由だろうと思われますが。

でも個人的には神メモの真髄は一巻みたいなえげつないけど切なくて救われる話だと思うのに、それをまっさきに持ってこないのは勿体無いなあ、と思います。
オリジナルならまだしも、原作付きのアニメで原作の力を素直に活かしきれていないのを見るとなんだかなあ、と思ってしまう今日この頃。
まあもちろん諸々の事情が絡んでそういう判断になってるだろう、ってのは理解できるんですが……

監督がかつて「真月譚月姫」でやらかした人だとか、製作会社のJ.C.STAFFといえば作画は綺麗でコメディパートは上手いのにシリアスになるといきなりダメになっちゃうと言われてるとこだとか、そういう評判がどうこうというよりも、既に漫画なり小説なりの原作が存在するものをアニメ化するのって難しいんだなあ、っていうのが素直な感想です。

媒体が違う以上は原作を完全に再現することは当然不可能だし、むしろその差がお互いを引き立てるのならばプラスに働くはずなんですが、いわゆる「原作レイプ」ってどうして起こっちゃうんでしょうね、ホント。
そう思う一方で、痛いかんじの信者と化した「原作ファン」のひとたちがアニメを必要以上に叩くのも見ててなんかアレですし、このへんを何とかして平和裏に解決する方法とかあればなあ、とかちょいちょい思ったりします。

同じラノベ原作アニメでも、「とらドラ!」や「デュラララ!!」なんかは原作の雰囲気やエッセンスを損なわないで上手くアニメ化出来てて非常に良かった印象があるんですが、どうして差が着いちゃうんでしょうねホント……

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「すでにあるものに手を加える」ということのバランスの難しさを思うそんな日々。


なんかよく判らん上に辛気臭い話になってしまいましたが、神様のメモ帳、アニメの雰囲気は好きだけどなんか物足りないな」って人には原作小説を是非オススメしたいです。
割と文句なしに面白いと言えるので、気になってる方はこの機会に是非。